【受け継がれる情熱】1972年、夢から始まったイル・マイオーロの歴史

イル・マイオーロの物語は、1972年に始まります。祖父マルチェッロが、長年の夢であったワイン造りを実現するため、荒れた農地を買い取りました。彼はその土地を一から修復し、オルテューゴ、バルベーラ、ボナルダなどのブドウを初めて植え付けました。当初、ワイン造りは家族のための心温まる趣味であり、そこで生まれたワインは、大切な人への贈り物として親しまれていました。マルチェッロが亡くなった後、土地は祖母と息子たちに引き継がれますが、その将来に迷いが生じます。そんな中、法学生だった息子のフランチェスコが、このマイオロを本格的なワイナリーへと発展させる大きな決断をします。

【家族の想いを込めて】困難を乗り越え、魂を注ぎ込んだワイン造りの基盤

フランチェスコは、ワイナリーの基盤を築くため、ブドウ畑の整備など大変な仕事に情熱を注ぎ込みました。そして、2003年、イル・マイオーロ初のワインが誕生します。この年は「奇跡的な」出来栄えとなり、初収穫のボトルは今も数本残され、家族の記念すべき瞬間を祝うために開けられています。その後、母マリア・ルイザの介護に専念するため、一時的にワイン造りは控えめになりますが、フランチェスコは母への感謝を込めて新たな土地を購入。イル・マイオーロを完全なブティック・ワイナリーへと進化させていきました。

【世界が称賛する一本】ヴァル・ヌーレの伝統が息づくこだわりの味わい

弁護士の資格を持ちながらも、フランチェスコの使命は常に、この土地（テロワール）の個性と魂を表現するワインを造り続けることでした。ヴァル・ヌーレ地方の伝統的な製法を尊重した独自のワイン造りは、彼の弛まぬ努力と信念によって実現しました。現在、イル・マイオーロのワインは、イタリア国内だけでなく、日本を含むヨーロッパやアジアへも多く輸出され、「最高の品質」として世界中から称賛を集めています。フランチェスコの夢は、イル・マイオーロの輝きを未来へとつなぐ、確かな情熱として結実しているのです。

このワインの特徴は

黒果実やカラメル香などが穏やかに香ります。アルコール度数14％。 春までの長期間にわたるアルコール醗酵は野生酵母のみで行われ、5000Lのオーク大樽でアルコール醗酵の続きと約4年間の長期熟成を行う。ノンフィルター、若干の二酸化硫黄を添加してボトリング。