底抜けに人懐っこいスペイン人が生み出す自然派ワインで乾杯|アルタビン来日ワイン会開催報告
去る7月2日、スペイン・カタルーニャにワイナリーを構える「アルタビン ビティクルトゥール」の当主ジョアンさんがお越しくださいました。
目次
一緒にワインを並べたエピソード
実は今回のご来訪は2回目なのですが、再度お越しくださったのにはこんな伏線がありました。
「ジョアンからお話が有り、昔の話ですが、担当○○の時代に、アルタビン・ジョアンさんが来日し、ハウディ様のところへ訪問。ちょうどワインが到着したタイミングで、一緒になって店頭陳列をしたことを覚えておられるらしく、もしも名古屋へ行くならぜひハウディ様へ訪問したいとリクエストが有りました。」
(5月末、(株)飯田の担当さんからオファーをいただいた際の原文)
ワイン業界でも「名古屋飛ばし」は頻繁で、東京・大阪以外は福岡に行っちゃうことも多い昨今。今回も飛ばされるかと思いきや、ジョアンさんのリクエストでハウディ(名古屋)訪問になったんです。
あれは確か7~8年前だったんだけど、この話を聞いてびっくりしたよ!今回再会した時に「ちゃんと覚えてるよ~」ってその時に撮った写真を見せてくれてさ。写真の頃はお互い若いね~って笑ってさ。
日本各地だけでなく世界中でプロモーションしているジョアンさんの記憶に残るとは、やりますね(笑)。
ジョアンはほんとに背が高くて、身長いくつ?って聞いたら188㎝。
年は今50歳で子どもが3人いるから大変って言ってたよ。
それから、日本に来てびっくりしたのは「とにかく年齢を聞かれることだよ」って。ちなみに僕の年齢を明かしたら「嘘だよね!?42歳で通じるよ」って言ってくれたから、これからそれで通そうかな~(笑)。
おやおや。そんな冗談はさておき、ここからは当日の様子をご紹介していきます。
お昼の部はアルタビンのワインセミナー
まずはお昼の部。この時間帯はジョアンさんによるワインセミナーを開催しました。飲食店関係の方中心にご参加くださり、ワインの試飲と共に質疑応答形式でお話が進みました。
印象的だった様子とお話
・ガルナッチャブランカを4種も飲み比べるなんて普段はできない!と喜ばれていました
・アルタビンのワインはヴィーガン(プティット以外)という事もありヴィーガンレストランさんもご参加
・ジョアンさんのところは清澄剤として珪藻土の代わりに大豆粉末を入れることでオリ下げしているそう
・スペインでは都市部と地方での貧富の差が激しいが、カタルーニャ州は比較的安定しているので、スペインから独立することはないんじゃないかな、という余談も聞けました
夜の部はジョアンさんを囲んでのワイン会
もうとにかくジョアンの人柄がよくって。参加された一人一人にすごく親切だったのが印象的だったよ。
本当にジョアンさんは「人懐っこい」という言葉がぴったりなお人柄で、「もしスペインに来てくれたらバルセロナまで迎えに行くから!」って言ってくれるほど参加者の皆さんに対してWELCOMEな雰囲気でした。
特に親子でご参加くださったお二人は「近々にスペインに行くタイミングでこのワイン会を知って絶対参加しなくちゃと思ったんです!」とのこと。セレンディピティってこういう事かもしれませんね。
もう一つのセレンディピティと言えば、ジョアンさんは名古屋の前に京都でワイン会をされたそうで、そのお店はホイリゲのアルバイト〇藤さんが以前勤めてたお店だったという(笑)。世の中繋がってます。
ということで、夜の部はこれまでのワイン会の中でも最もアットホームだったのではないか?と思うくらい一体感のある会になりました。
お昼の会・夜の会ともとても和やかでした。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
会を終えて
さて、スタッフ側の感想も聞いてみましょう。
ホイリゲハウディ店長の豊村くん、どうだった?
今回私も初めてアルタビンのワインをいただきましたが、個人的にもスペインの主要ブドウ品種ガルナッチャをこれだけの種類飲み比べる経験はなかったので、非常に有意義な時間でした。
また、絶滅しかけたガルナッチャ・ベルーダという品種も少しずつ栽培面積を増やしてワイン造りを行っていることから、地元の歴史や産業を大切に想って日々仕事に取り組むお話しが印象的でした。
そしてなんと言っても当主ジョアンのお人柄が素晴らしく、参加されたお客様から寄せられる多くの質問にも笑顔で丁寧に答えてくれていました。
多種多彩なワインのラインナップにお昼も夜も参加された皆様は大満足のご様子でした。
夜はお料理の用意もあったから、一日忙しかったよね。
ワイン生産者と一緒にその方が造ったワインと食卓を囲む、そんな素晴らしい空間の演出に携われて嬉しいです。
第二弾はアルタビンのワイナリー訪問ツアーを組もうとみんなで盛り上がってましたので、是非ご参加お待ちしてます笑
という事で、スペイン訪問ツアーは現実化するのか!?ユーロ安くならないかな・・・
さて、今回の総合演出(?)ソムリエ奥畑はどうだったのでしょうか?
やっぱり、ガルナッチャベルーダを復活させて、なおかつあそこまでのクオリティにしているのは凄い!
2000円台のプティットシリーズは、赤はジューシーでバランスの良い糖度で、白もさらりとしているから、まさにこれから暑い季節に良く冷やして飲むのに最適だと思ったよ。
実際のところ、お客様が満足されていたのはその上のクラスだったけどね。
上級キュヴェのヴィティクルトール・セレクシオの樹齢が平均60年と古いので、液体の濃度が高く、複雑味があって、樽を使っている。ブルゴーニュとまではいかないまでも、それに近しいクオリティだったのではないかな。
なるほど。とにかくワインは美味しいしジョアンさんは底抜けに明るくて楽しいし、最高の時間だったってことですね!
そうだね~。ほんとできるなら一緒に飲んで食べて騒ぎたかったよ。できれば翌日一緒に出掛けてBBQしたいくらいだったな。
良かったですね!
短期間での準備でしたが、お疲れさまでした!
アルタビンのワインとお料理のペアリングについて
ところで、今回のワインとお料理のペアリングも気になるところです。
そんなお話は出たのでしょうか?
色々話してたよ。ジョアンのペアリングの方向性を聞いてると、同調するよりも食材をワインと共に流す方向性が好きな印象。例えば・・・
ペペロンチーノと合うワイン
最後にジョアンとしゃべってた時に「ホイリゲのペペロンチーノにアルモディ(赤)が合う」って言ってたなぁ。
アルモディにはシソっぽいニュアンスがあります。ホイリゲハウディで提供しているペペロンチーノもシソをしっかり使っているので調和するのでしょう。さらにアルモディがパスタの油分を口中でうまく流してくれます。
ブルーチーズにあうワイン
今回のワイン会でもオレンジワインが全体的に人気でした。
ビネレレス・ブリサットは、最初にシェリーを思わせる香りで厚みと複雑味がありました。醸造・熟成はアンフォラで、しかもアンフォラだと若干気泡がステンレスより空気を通すから酸化のニュアンスが出るのだそう。
このテイストを持つ ビネレレス・ブリサット には「ブルーチーズにはちみつをかけたものが合うよ!」とジョアンさんが太鼓判でした
デミグラスソース系が合うワイン
ジョアンさん曰く「牛すねのラグーがおいしかった!セレクシオが合うね」と文句なしの大評判でした。
ということで、いろんなテイストを楽しめるアルタビンの自然派ワインから、今後も目が離せません。ワイン会に参加が叶わなかったかたも、ぜひ上記のペアリングを参考に試してみてくださいね。