巷で話題のヴィーガン・ワイン。いったいどんなものを指すの?
こんにちは!
最近よく耳にするようになった「ヴィーガン」という言葉。
そんな中でも「ヴィーガン・ワイン」なるものがあるそうで、気になって調べてみました。
なお、日本語では「ヴィーガン」や「ビーガン」とも表記されますが、ここでは英語表記での「VEGAN」の「V=ヴ」という表記を採用し「ヴィーガン」で統一します。
2021年3月加筆
「ヴィーガン」とは
そもそも「ヴィーガン」とはいったい何なのでしょうか?
「ヴィーガン」という言葉は、「酪農製品を食べないベジタリアン」を表すために、1944年にイギリスにおいてヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンによって作られた言葉。
生活から動物製品を排除しようという考えで、その厳格さについては人によりさまざまであるが、倫理的観念から菜食(肉のない食事)を行った人物の一人にインドのマハトマ・ガンジーがいる。
つまり、肉類はもちろん、乳製品・たまごも摂取しない食スタイルで、身につけるものも毛皮や皮革製品等、動物性のものを使用しないようです。
ヴィーガニズムへの関心はウィキペディアの閲覧数にも表れていた。
英語版のヴィーガニズムの記事は2009年8月の時点で73,000 回閲覧されたのに対し、2013年8月の時点では 閲覧数が145,000回に伸びていた。
(ウィキペディアより)
上記の数字からも、ヴィーガンを選択する、もしくは係わる方が年々増えている事がわかります。
確かにレストランやイベントなど、安心して利用できる施設なども全国的に増えています。
ワインにおける「ヴィーガン」とは
ワインはブドウから造られます。
「ヴィーガン」の概念として、原料はもちろん製造から製品化に至るまでも一貫して動物性のものを使用してはいけない、という考えからすると「ワイン」も動物性ではないのですが、実は全てのワインが「ヴィーガン」に当てはまるわけではないことが分かりました。
というのも、ほとんどのワインは瓶詰め前に清澄をして、にごり成分などを取り除きます。
その清澄に使用する素材として、卵白、豚や牛のゼラチン、牛乳たんぱく質を使用することがあります。
つまり、動物性の清澄剤をワインに投下しするので、ヴィーガンに反するわけです。
対して、ベントナイトや珪藻土を清澄剤として使用していれば、問題なくヴィーガン・ワインと言えるようです。
ジャガイモや豆由来の清澄剤もある
(2021年3月加筆)
実は、2020年秋にお客様から「清澄剤」について具体的なご質問をいただきました。
インポーターや生産者にも協力していただき回答を得たので、こちらでもご紹介します。
■お問合せ内容
ヨーロッパでは、清澄剤として、ジャガイモや豆由来で同じような働きをするものが使われているようですが、それらは日本でも認可されて輸入が始まっているものなのでしょうか?
結論から申し上げますと、 ジャガイモや豆由来の清澄剤を使用したワインは日本に輸入されています。
以下が現在ヨーロッパで使用されている清澄剤です。(イタリア生産者に確認)
●じゃがいも由来の清澄剤名:VEGECOLL(ばれいしょたんぱく質)
●豆由来の清澄剤名:ALEACLAR P
上記のみではないかもしれません。
現行は、清澄剤自体が日本の食品添加物規制品目に該当しない限り、表示義務はないようです。
また、輸入の際も、清澄剤名まで確認をすることは無いようです。
ヴィーガン認証を明確に取得しているワインの場合も、 清澄剤の種類まで追うのは
生産者があえて情報提供をしている場合を除き、ほとんどの場合1つ1つ確認をする必要があります。
参考までに、今回情報提供に協力いただいた生産者のワインをご紹介します。
オルソーニャワイナリー/リュナリア 3リットルBOX
https://www.how-dy.jp/c/maker/maker-italy/lunaria
豆由来の清澄剤名:ALEACLAR P を使用しています。
無清澄のワインも「ヴィーガン」の可能性が高い
もしくは、清澄をしないワインも「ヴィーガン・ワイン」のカテゴリーに入るようです。
ただし、無清澄ワインを探すことが難しい、という問題があります。
というのも、一般的には「無清澄であること」をわざわざ表記しているワインは少ないです。
そのため、探すヒントの1つとして「にごりワイン」や「澱(オリ)が残っているワイン」が目安になります。
それでも不安できちんと確認したい場合は、やはり専門店で詳しいスタッフに尋ねる事をお勧めします。
まとめ
こうしたことから「ヴィーガン」を貫くには、ワインであってもトレーサビリティがしっかりしていないといけない事がわかります。
あいにく私自身は「ヴィーガン」ではありませんが、なるべく添加物や工業的なものは避けたいなと思っています。
商品の提供者側である我々が、こういったライフスタイルについてきちんと情報提供できるよう知識を持っておくことも重要なのだと、改めて感じています。
今回の情報が、貴方の参考になれば幸いです。