オーストリア特派員のワイン巡り報告⑨5月10日1軒目「ヴィーニンガー」Mr.シャルドネに会いに

オーストリア特派員のワイン巡り報告⑨5月10日1軒目「ヴィーニンガー」Mr.シャルドネに会いに

2023.08.21 posted

からの続きです。

とうとうワイナリー巡りの最終日を迎えました。5月10日の予定はこんな感じです。

8時30分 ホテル出発 → 9時15分 ワイン醸造所ヴィーニンガーを見学 → 12時 ワイン醸造所ヴィーニンガーで軽食 → 13時30分 ブルゲンラントへ向かう → 15時 ライタベルクのブドウ畑でゲルノート・ハインリッヒと会う → 16時30分 ワイン醸造所ハインリッヒを見学 → 19時 PEoAメンバー全員とワイン醸造所ハインリッヒで送別会

ウィーン市北部の郊外に位置するヴィーニンガー醸造所へ

それでは最終日の1軒目「ヴィーニンガー」へ向かいます。

ウィーン市内のホテルから車で約30分北上。

中央分離帯が公園のようになっている緑豊かな通り沿いにあるのが、Weingut Wieninger です。

迎えてくれたのは、ヴィーニンガーの当主フリッツ・ヴィーニンガーさん。5/7のウェルカムパーティーでもお会いしましたが、相変わらず饒舌かつホスピタリティーにあふれるお人柄です。

彼は若かりし頃、ワインを学ぶべく渡ったアメリカ・サンフランシスコで衝撃を受けます。

「ぶどう畑の中を機械が走っている!」

当時、オーストリアのワイン農家はスコップを使った手作業が当たり前でした。機械化が進むアメリカのワイン産業に大いなる刺激を受け、修業を積みんだのちにウィーンへ戻ります。

そして、オーストリアではほとんど誰も行っていなかったシャルドネの樽熟成ワインを打ち出します。当時、オーストリア固有品種のグリューナーヴェルトリーナーなどはワイン界で全くの無名。そこで誰も見向きもしないブドウ品種ではなくシャルドネをフレンチオークで熟成させる事で、世界のマーケットにオーストリア産のワインを打ち出そう、と取り組んだのでした。

結果、ワインの専門家や評論家たちからは「ブルゴーニュとカリフォルニアのちょうど中間となる存在」として評価され、自国内で「ミスター・シャルドネ」と呼ばれるようになりました。

一方その裏で、彼の父からは「オーストリアの白ワインを樽熟させてしまうなんてワインを壊したようなものだ」と言われていたのだそうです。

しかしその後フリッツ氏はある疑念に辿り着きます。

「世界のスタンダードを追いかけると大衆化してしまい、本来の個性が消えてしまうのではないか」

実際、シャルドネにとってウィーンはまだまだ冷涼すぎるエリア。

「シャルドネという世界品種ばかりを打ち出すより、もっとできる事があるはずだ。」

そこで彼は、ウィーンの伝統製法である混植混醸の白ワイン「ゲミシュターサッツ」に着目します。

「ウィーンの個性はこの冷涼な気候。そこでできるきれいな酸のブドウ。それを世界に押し出そう」

こうしてゲミシュターサッツの復興と価値向上に邁進し、10年以上の歳月を経た2013年、ウィーン産ゲミシュターサッツDAC呼称を獲得するに至ります。フリッツさんを始め、仲間と取り組んだウィーン産白ワインの個性が認められた瞬間でした。

まさに訪問した2023年はDAC承認10周年のアニバーサリーイヤー!節目の年に訪問できたのは運がよいです。

という事で、熱いお話を聞きながら、こだわりの詰まったワイン総数30種をしっかり試飲しました。

ずらりと並ぶ試飲ワイン!

熱いお話と醸造所見学のあとは、お楽しみのランチタイム♪

テイスティングルームでいただきまーす

5月旬のホワイトアスパラがこちらでも登場!爽やかなオイル仕立てのドレッシングでした。

やっぱりゲミシュターサッツを飲みたくなる。

ジャガイモのグラタン。ほくほく&クリーミー。

やっぱりシュニッツェルが伝統&おもてなしの定番料理だそう

昔は仔牛だったけど、最近は鶏肉や豚肉が一般的なのだそう。この日は豚肉。ジューシーでおいしかった。

デザートのケーキ。(一人分じゃありません)
極甘口ワインに悶絶

ワインはもちろんワイナリーでも購入できます。全部買って帰りたかったです♪

とにかくお人柄がよくて、誰にでも気軽に話しかけるフリッツさん。お人柄がワインにも表れているような気がしました。おもてなしをありがとうございました。

ワイナリー入口でぱちり

この後午後からはノイジードル湖近辺のハイセンスなワイナリー、ハインリッヒへ向かいました。


■【シリーズ】オーストリア特派員のワイン巡り報告
①旅の準備編
https://www.how-dy.jp/topics/60096388/
②長いフライト~ウィーン入り
https://www.how-dy.jp/topics/60096395/
③5月7日:ツァーヘル訪問・畑編
https://www.how-dy.jp/topics/60096469/
④ 5月7日:ツァーヘル・醸造所編
https://www.how-dy.jp/topics/60096657/
⑤ 5月7日:ウェルカムパーティー@ホイリゲ
https://www.how-dy.jp/topics/60096729/
⑥5月8日:ロイマーで試飲三昧
https://www.how-dy.jp/topics/60096777/
⑦ロイマーの地下セラーはダンジョンだ!&ディナー編
https://www.how-dy.jp/topics/60096869/
⑧5月9日スロベニア国境に面するワイナリー「サトラーホフ」へ
https://www.how-dy.jp/topics/60096938/
⑨5月10日1軒目「ヴィーニンガー」Mr.シャルドネに会いに
https://www.how-dy.jp/topics/60097053/

この記事を書いた人

ハウディWEB担当 吉田さき子

ハウディに勤め酒販業界歴延べ25年。20代で豪ワイン研修参加をきっかけにワインの魅力にのめりこむ。30歳を過ぎて日本酒にも開眼。実店舗の店長職を経て現在は広報・WEB担当。発酵を偏愛中。普段飲みはもっぱら醸造酒。(写真のぶどうはドルチェット@伊ピエモンテ)

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